Lipton28 blog

欲求不明です。

カムカムエヴリバディ

本当は、何もかもるいに話すつもりで。

るいに謝りたくて、安子に、父ちゃんに、母ちゃんに謝りたくて、許して欲しくて訪ねて来たのだろうに。

 

「さぁ、どうだったかなぁ」なんて。

 

算太は変わらない。

いつも都合が悪くなると逃げ出す。

 

そうして重い荷物が増えていく。

 

もうそろそろ荷物を下ろしてもいいよ。

誰も責めたりしないから。

無様に泣いて詫びて許しを請うてくださいな。

 

人は最後に自分の見たいものを見るんだ。

金太が、戦争から帰ってきた算太を迎えたように、

算太は商店街を思い、家族を思い、たちばなを思い出した。

見上げてこぼれた涙が名演でした。

 

自分に失望して、みっともなくて恥ずかしくて、

そこからが人生は長い。

終わらない限り続いていく。

やがて、終わりが来る。

必ず。

誰にでも。

望んでも、望まなくても終わりは来る。

始まって終わる。

失ってまた手に入れる。

ただそれだけの事。

それ以下でもそれ以上でもなく、

終わりまで生きる。