Lipton28 blog

欲求不明です。

隠れた一面

「フィリフヨンカさん怪事件」

 

ある嵐の夜。

日課のお掃除で部屋を美しく整えているフィリフヨンカさんの家のドアが

ノックされた。

恐る恐るドアを開けたフィリフヨンカさん。

そして叫び声。

雷鳴とともに。

 

ムーミンママは朝から手作りのジャムをフィリフヨンカさんへ届ける準備中。

ムーミン

「あの人はうたぐり深いから目の前で食べて見せないと」と言った。

そして「ママの天敵みたいな人なんだからほっとけばいいのに」とも。

でもママは「隠れた一面ていうのがあると思うのよね」と、

さっさと出かけてしまった。

 

ムーミンママはフィリフヨンカさんの家のドアをノックした。

すると、すーっとドアが開く。

声をかけてジャムをかるく指ですくって見せた。

そして部屋を見てびっくり仰天!

ジャムの瓶を逆さまに落としてしまう。

いつもきれいなフィリフヨンカさんの家の中がぐちゃぐちゃ。

家の奥から出てきたのは署長さん。

昨夜の叫び声で、フィリフヨンカさんの家に駆け付けたのだ。

荒らされた家と、行方不明のフィリフヨンカさんの状況から

ムーミンママは署長さんに連れていかれてしまう。

自慢のひんやりした牢屋へと。

 

   ‐‐‐‐‐‐手に赤いジャムがついたママに「手にかけたな」とかいうの。

      駄洒落ですか?‐‐‐‐‐‐‐

 

ムーミントロールは、早くママを救うためにジタバタしてるのに、

パパはのんきに朝のコーヒーがないことを気にしている。

 

   ‐‐‐‐‐‐この旦那・・・

 

ムーミントロールは夜、こっそりとママを脱獄させに来る。

あれやこれやと説明している間に、ママはさっさと脱獄してきてしまう。

「前にも脱獄してきたことがあるから」

 

さてさてムーミンパパといえば、スニフをお供に犯人探しを始める。

まずは動機だ。

ところが、みんなに動機があるのだ。

スニフ「ツンケン冷たいタイプだったから」

 

脱走犯になったムーミントロールムーミンママ。

隠れ家を作るのに手こずっているムーミンの横で

ママはあっさりとすてきな小屋を作ってしまう。

「二人でのんびりしましょう。

 脱走犯になるのがこんなに楽しいとは思わなかったわ」

ゆっくりのんびりキャンプを楽しむママ。

 

さてまたしてもパパ。

頼りないパパ。

ムーミン谷のみんなにアリバイを聞いて回る。

スノークのお嬢さん「髪のお手入れしてたわ」

じゃこうねずみ「そんなことを聞く時間が殺人行為だよ」

リトルミィ「あたしがやったのなら自慢しまくる」

ヘムレンさん「当然、眠ってたさ」

ヘムレンおばさん「ビスケット食べてた」

 

 

ママはキャンプの達人でびっくりするムーミントロール

「若いころはしょっちゅうキャンプに行ってたから」

パパと出会う前には海で遭難したこともあるという。

ムーミントロールはママがパパと出会う前の時間があったことに少し驚く。

 

 

楽しいキャンプディナーのところに、リトルミィとスノークのお嬢さんがやってくる。

尋問されて大迷惑なんだから。

そこにスニフが表れて

「事件は解決。海岸の洞窟に全員集合ってさ」

 

 

事件を解決するには洞窟がいいらしい。

 

パパは

みんなに尋問したら消去法で自分が犯人ということになった。

全く覚えがないが。

(そんなバカな・・・)

誰にでも知られざる一面があるんだ、自分にとっても。

 

そしてこの間抜けパパは

「冒険号に乗って、ならず者としての新しい人生に漕ぎ出すんだ」

(何を言ってるの・・・)

「我々は無法者一家になるんだ!」

はいはい、

署長さんが出てきてママとパパはまた牢屋に連れていかれました。

(そうなるわな)

 

しょぼくれてたムーミンだけど、ママに励まされて事件解明に動き出す。

 

「我々は身近な人をわかっていると思いがちですが、

 意外な一面を知って驚かされる」

 

真相は

フィリフヨンカさんの叫び声は恐怖ではなくて

喜びの声。

大好きな3人の姪が訪ねて来たから。

突然の訪問に、フィリフヨンカさんはとるものもとりあえず

3人を連れておもてなしの買い出しへと出かけた。

鍵をかけ忘れるほどあわてて。

そこへ雷鳴を怖がって逃げて来たスニフが入り込んだ。

暗い部屋の中で、あちいこちぶつかって、蹴とばして

部屋の中はくちゃくちゃ。

これが真相。

そう、フィリフヨンカさんは殺されてなどいなかった。

 

その時、3人の姪と一緒にフィリフヨンカさんが帰ってきた。

 

まぁ!私の家をこんなぐちゃぐちゃにして!

出ていってちょうだい!! 全員よ!!!

 

やれやれです。

いつもながらのムーミンパパの残念ぶりはあっぱれです。

みんなに厳しいフィリフヨンカさんにも

デレデレになってしまうほどかわいがっている姪っ子三姉妹がいた。

表面だけではわからない。

みんなそれぞれ隠れている一面があるのさ。

 

そして

隠れた一面というなら

ムーミンママが一番、隠れた一面を持っていそう。