Lipton28 blog

欲求不明です。

乳母車

母よ

淡くかなしきもののふるなり

紫陽花いろのもののふるなり

はてしなき並樹のかげを

そうそうと風のふくなり

 

時はたそがれ

母よ   私の乳母車を押せ

泣きぬれる夕日にむかって

りんりんと私の乳母車を押せ

 

赤い総のあるびろおどの帽子を

つめたき額にかむらせよ

旅いそぐ鳥の列にも

季節は空を渡るなり

 

淡くかなしきのもののふ

紫陽花いろのもののふる道

母よ  私は知っている

この道は遠く遠くはてしない道

 

三好達治/測量船より

 

 

 

幼いころ母の愛情を受けられなかった作者が

母を思い、自分の幼少期を書いたとされる詩だそうですが、

いきなり命令口調が出てくるので、えっと思う。

甘えんぼかよ。

 

「ここに座ってくれ

 足を組んでくれ

 たそがれに顔を向けてくれ

 その指で髪をかき上げてくれ・・・・」

これは阿久悠作。

くれくれ言うなよ。

甘えんぼかよ。